2019.09.20.公開 (2021.10.29.更新)
北米(アメリカ)拠点を開設
中古スマホ(中古携帯)の専門商社であるエコケー株式会社はこの度北米(アメリカ)拠点をカリフォルニア州サンディエゴ開設いたしました。北米拠点ではBtoBはもちろんのこと、北米での小売活動を積極的に行って参ります。
なぜ北米へ進出するのか?
なぜ北米(アメリカ)に進出するのか?と同業他社から質問されることが多々あります。
それぞれの会社で事業戦略が異なることは当然ですが、私どもエコケー株式会社はアメリカには多くのチャンスがあると思っているから進出するのです。
本日はなぜエコケー株式会社がアメリカに拠点を置くのかについてお話したいと思います。
中古スマホ産出国
中古スマホ産出国なんて言葉聞いたことないと思いますが当然です。私が作りました(笑)
でもこの言葉重要であり、シンプルなんです。
中古スマートフォンはそもそも新品のスマートフォンが無ければ成り立ちません。
具体例を出しながらイメージしてみましょう。
ある消費者Aさんがいたとします。
まずはAさんが最新のデバイス(ここではiPhoneXSとしましょう)を購入しました(スマートフォンの一次流通)。その後一定期間を経過した後にAさんは商品の買い替えを行います。その時にAさんが取る行動は売却(譲渡)、廃棄、放置のいずれかの行動を行います。
中古携帯に関するお話しですので、ここでは売却を選んだとします。
そして、Aさんが使用した端末をBさんが再度利用する。
これがスマートフォンの2次流通であり中古品が出来上がる流れです。
そんな事当たり前と思われるかもしれませんが、ここを理解していないかたも実は多いのです。
中古品は誰が利用するのか?
中古品の需要は様々です。コレクターとして過去のレアモデルを収集する方や、使い慣れた商品が良いという理由で、同じ商品を中古品で買い続ける方もいますが、やはり最も需要として多いのは「安い」からです。
中古車でも同じですが、基本的に中古マーケットは新車では届かない価格帯のものが中古品であれば手に入るというのが最も基本的な需要になります。
誤解を恐れずに言語化するならば、中古品の流通とは高所得者から低所得者に向けて2次流通することなのです。
さて、ここで日本とアメリカの所得別人口分布を見てみましょう。
※ドルと円の違いや公開されているデータの年次が違うため完全に一致した環境での比較はできませんが、傾向は見えてきます。
日本の所得別人口分布
厚生労働省の公表している2017年度の所得別人口分布を以下のようにまとめました。
※データ出典:厚生労働省
実数がありませんでしたので、%で表記します。
年収
0~199万円 17.90%
200~449万円 32.40%
450万円~999万円 37.00%
1000万円以上 12.70%
※日本の統計上400万円~500万円(10.6%)しか存在しませんでしたので、400~449万円以下を5.3%、450~499万円を5.3%というように、それぞれ半分ずつ加算して計算しております。
日本の所得中央値が442万円ですので、449万円以下の方が中古スマホの潜在顧客と考えた場合、全人口の50.3%、実数にして約6338万人が潜在顧客となります。
※全人口を1億2600万人として計算。
アメリカの所得別人口分布
続いて2015年度のアメリカの所得別人口分布です。
※データ出典:アメリカ合衆国国勢調査局
年収
0~19,999ドル 171,338千人 53.73%
20,000~57,499ドル 93,463千人 29.31%
57,500~99,999ドル 33,316千人 10.45%
100,000ドル以上 20,750千人 6.51%
今回、日本もアメリカも平均値ではなく中央値を採用しております。
理由はアメリカの場合、所得格差が大きく、平均所得で計算するとより所得が高額になってしまうからです。その点中央値であれば所得の一番多い層つまり一般的なアメリカ人の所得レンジがわかるのでより実勢値に近くなるからです。
さて、アメリカの所得中央値は57,500ドルですので、こちらも57,499ドル以下の方を潜在顧客とした場合、全人口の83.04%、実数にして264,801千人もの人達が潜在顧客となります。
中古スマホの小売りでアメリカに進出する理由まとめ
上述のように、日本とアメリカでは平均所得以下(中低所得者層)の割合に圧倒的な差があるうえ、そもそもの人口も多いため、中古スマホ(携帯)の需要も多く見込めます。
また、実数ではあらわしにくいですが、日本は世界でも稀に見る新品スマホ(携帯)の格安国ですので、金銭的な面でも中古携帯を利用するメリットが享受し難い環境でもあります。
これら中低所得者層の数と日本国内における中古スマホ利用のメリットの少なさを考慮すると、むしろアメリカに進出しないリスクの方が大きく感じてきます。
話しを戻しましょう。
日本をはじめとする、北米やヨーロッパの国々など一般的に先進国と呼ばれる国は「中古スマホ(携帯)の産出国」です。これらの国で一次消費されたスマートフォン(携帯電話)が所得のまだ低い「開発途上国で2次利用」される商流は今後も変わらないと思いますが、アメリカだけは中古携帯の産出と消費を同時に見込める市場です。
私どもエコケー株式会社は、このようなデータを元にアメリカへの拠点開設および小売りの強化を計っており、当然失敗するリスクを犯しながらの進出となります。
しかし、統計上のデータを読み解く限り、アメリカでの販売は日本市場よりも明らかに規模が大きく今後も成長が見込めます。また、将来的にはアメリカを拠点として中南米への道も開ける可能性も高く、今後の事業展開に欠かせないものです。
私どもエコケー株式会社は中古携帯の専門商社として、今後も様々なチャレンジを繰り返し、お客様に一台でも多くの携帯電話を届ける事で、コミュニケーションの促進、思い出の記録、情報格差の改善、エコロジーの4つに貢献して参ります。