エコケー株式会社

2019.05.16.公開 (2021.10.29.更新)

中古スマホの価値

RMJ(リユースモバイルジャパン)によるガイドライン公表後、新規参入による問い合わせが後を絶ちません。
そんな中、必ず聞かれる質問は「中古携帯(中古スマホ)って誰が買うんですか?」です。
今回は業界の誰も語ろうとしない中古スマホ業界の真実に迫りたいと思います。

 

 

中古スマホは誰が使うのか?

新規参入を目論む方や金融機関などから聞かれる質問があります。
それは、「中古携帯(中古スマホ)って誰が買うんですか?」です。
この質問を投げかけられた時に、私はこう言います。
「今日って時間ありますか?」
なぜなら説明に時間が掛かるからです(笑)
だからこそブログに書いて、今度からは「ブログ見てください♡」に変えようと思いたったわけです。

 

では本題に。
中古スマホは誰が使っている問題を表面から分析をするならば消費者によるヒアリングが最も手っ取り早い手法です。
MM総研さんが公表しているニュースリリース(https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=263)によると中古スマホの購入経験者は4.3%と算出されています。
そう4.3%。
4.3%という数字だといまいちピンと来ないと思いますので別の業界のデータを活用してみたいと思います。

 

 

中古車市場の中古比率は30%

少し古いデータではありますが、リクルートさんが調査した中古車購入実態調査というものがあります(http://www.recruit-mp.co.jp/news/library/pdf/20151209_01.pdf)。
これによると2015年の中古車販売台数は240万台で、この年の新車販売台数は504万台です。合計すると自動車業界全体で744万台が流通した事となり、中古車の流通シェアは30%となります。
そう30%。
携帯市場とは桁が一つ違いますね。
つまり4.3%とは、「たまたまトイレに落とした」とか「たまたま分割が組めない」とか「たまたま格安SIMを買ったから」と言った「たまたま」需要なんです。

 

だから携帯市場の誰に「中古スマホは誰が使うの?」って聞いても明確な答えは帰って来ません。
では、中古スマホ市場って今後伸びないのか?というとそれは少し違います。
MM総研さんのデータを見てもわかる通り、中古スマホ市場の規模は年々増加傾向にあり、また前回のブログ(RMJ(リユースモバイルジャパン)がガイドラインを発表)でも書きましたが、スマホ端末の高額化、端末と通信のセット販売禁止、5Gの到来など多くのイベントを控えていますので、今後も緩やかではありますが、需要は拡大していくと予測されます。
そう、これが現実・・・。

 

 

隠された真意

インタビューに答えた人の言葉が嘘な訳ではありません。確かに日本の製品は品質が良く、安いです。
でも、もう一つあります。「よく売れるんです。」じゃないと、一人の人が炊飯器をそんなにたくさん必要としません(笑)
 
ご存知の通り、私どもエコケー株式会社はアメリカやドバイにも中古スマホの輸出を手掛けております。このアメリカとドバイという地域、適当に選んでこうなったのではありません。長い時間を掛けて様々なトライ&エラーを繰り返し、行き着いた地なのです。
その最たる理由が税金の問題。
今回は突っ込んだお話しは控えさせて頂きますが、秋葉原で購入している外国人たちの国で正規で販売しようとすると、どれだけ少なくても10%程度の税金が掛かります。(高いと20%~100%)
でも、訪日観光客や留学生が免税で中古スマホを購入し、自国に持ち帰った場合、関税はゼロです。つまり自国で売られている正規輸入品より明らかに安いのです。
そりゃ売れますよね(笑)。品質良くて、安くて、人気があるんですから。

 

 

中古スマホは海外需要

そうなんです。私はこのブログでも何度もお伝えして来ましたが、中古スマホは基本的に海外需要なんです。
そもそも中古品の流通とは高所得者から低所得者に流れます。これは絶対的な流れで、逆流はあり得ません。
そして、日本はと言うと「総中流」の社会なのですが、グローバルな視点で見ると「総高所得」。つまり、日本は中古品の産出国であり、輸入国でありません。
もっと言うと日本での中古スマホの自国内流通は起きにくく、日本で使用された中古スマホが海外の国で利用されるのが最も自然で理に叶っているのです。

 

長くなってきたのでまとめます。
日本の携帯市場における中古比率は今後も伸びしろはある。
だけど、現状では海外需要の方が多い。
今日のブログの答えとしては、「日本人より所得の低い外国人が使っている」が最も適した答えではないでしょうか。