2022.02.14.公開 (2023.09.01.更新)
海外ビジネスを成功させる7つのポイント【輸出・販売】
今回は、初めて海外進出やグローバル化に挑戦する方に向けて、下準備や情報収集の方法、日本と海外の違いや注意点など、多くのビジネスマンが気になっている情報をまとめました。
※本記事は5分程で読める内容になっています。
日本市場と海外市場の今後について
はじめに、日本と海外の今後の「市場」についてご紹介します。
日本市場:経済規模縮小の可能性有り
海外ビジネスを検討している方ならお気づきと思いますが、国内の経済規模は縮小していくと考えられます。日本の人工は2008年に1億2080万人をピークに減少しており、2021年8月の概算値では1億2530万人とされています。(2008-2021年の13年間で約278万人減少)
これに比例して出生率も年々減少しており、今後 労働人口が増加することは難しいと予測できます。また、世界的に見ても日本の高齢化は加速しており、人工の21%は65歳以上である「超高齢化社会」に突入しいてるため、今後は消費量・国内市場はさらに減少(縮小)すると考えられています。
※2025年には高齢化率は30%に達するとされており、生産年齢人口の減少に伴い国内の経済規模も縮小していくと予測できます。
海外市場:人工が増加している地域であれば経済成長の見込み有り
一方「海外市場は良いのか?」といえば、一概にそうとは言えません。というのも、国により千差万別で一言にするのは難しいためです。海外市場でビジネスを行うには、日本国内でビジネスを行う際に配慮する必要がなかった課題やリスクについて知る必要があります。
現地の状況、生活習慣などを把握した上で海外進出を検討しなければ、思わぬリスクやトラブルに直面することもあります。特に言語の違いによって日本国内ビジネスと同等のコミュニケーションが取れず、海外進出が難航することは多いです。
しかし、海外では人工が増加している地域があり、このような地域では今後の経済成長が見込めます。現在人口が増加している地域として、アジアやアフリカが注目されており、中でもインド、ナイジェリア、エチオピア、インドネシアなどは大幅に人口が増加すると予測されます。
特にインドでは2010~2020年の間に約1億6000万人増加しており、2050年には16億人を超えるとも言われています。人工が増えることで国の生産年齢人口の増加、経済発展にともなう人件費の上昇による市場規模の拡大が期待できます。
現地での労働力を確保や厳密なビジネスプランを準備することで、安定した利益の獲得が期待できるでしょう。
海外進出を成功させる7つのポイント
海外ビジネスを成功させるポイントは、以下です。
- 現地の情報収集
- 海外進出の目的を明確化すること
- 最適な人材の確保・管理をすること
- 現地のパートナー企業と連携を取ること
- 海外ビジネスにおけるリスクを知ること
- 商習慣・言語・文化の違いを理解すること
- 国内のビジネスとは全く違うことを理解する
1つずつご紹介します。
その①現地の情報収集
海外進出を検討する際は、現地事情に詳しい専門事業者や専門機関の協力を得ながら情報収集し、海外拠点には現地の情報収集ができる人材を採用することが重要です。なぜなら、海外市場の動向やニーズの把握、法制度や税制、経済情勢や政治情勢において、国内のように情報収集するのは難しいからです。
特に海外進出を考えている国の公用語が(英語などの)メジャーな言語ではない場合、より調査が難航する可能性があります。言語の壁に加えて、日本との物理的な距離や現地情報に対する知識は現地の人々の方が圧倒的に詳しく、急な政策・法制度の変更などは現地メディアや政府とのコネクションがなければリアルタイムで情報収集することは難しいです。
また、市場内のプレーヤー間での暗黙の了解、他社(競合)の評判、内部の動き、現地のトレンドやニーズの把握は、現地語でのコミュニケーションに加え現地市場でのネットワークを持っている可能性があります。そのため、自社の日本人人材だけで情報収集を行うのではなく、専門事業者や専門機関の協力を得ながら情報を集め、海外拠点には現地の情報収集ができる人材を採用することが重要になります。
その②海外進出の目的を明確化すること
海外進出を検討するには「目的」を明確にする必要があります。漠然と海外進出を検討するのでなく、明確な目標を立て、段階を踏み、進めていくことが大切です。
具体的には以下について目標を決め、会社全体の戦略として人材や資金を注入する準備をしましょう。
- いつまでに
- いくらの売上を目指すか
- いくらの利益を目指すか
特に「いつまでに」という目標は必ず明確にする必要があります。期限が明確でなければ事業計画が曖昧になり、売上管理や原価管理など、お金の管理まで曖昧になり事業を継続することさえむずかしくなります。
また、目標を設定する場合は「長期的視点」と「短期的視点」の両方の目標を決めることをおすすめします。会社の経営戦略として長期的に取り組むべき内容を考えると共に、新規ビジネスとして短期的視点を持ち、PDCAを素早く回してその場、その場で細かく事業の転換をしながら海外事業を推進することが重要です。
目標売上高・目標収益額・スケジュールなど、全体の戦略に基づく海外事業の目標の明確化と、海外事業に必要な人材・資金・社内体制など、環境設備を具体化し目標に沿った動きを検討しましょう。
その③最適な人材の確保・管理をすること
海外進出においては、語学が堪能であり、かつ海外ビジネスの知識がある人材を育てる、もしくは社外から新しく採用する必要があります。社内人材を育てる場合は、既に自社製品に関する知識があり、かつ自社内のコミュニケーションにも慣れているため大きなメリットとなります。
外部から人材を採用する場合は、語学能力と海外ビジネス経験があり、さらに海外拠点の立ち上げ経験やマネジメント経験がある人を採用すると良いでしょう。自社製品の知識をつけてもらい、日本の本社内でコミュニケーションを取りやすい体制を作ることが大切です。
自社の戦略や方向性、課題への対策方法など全て担当者に丸投げするのではなく、定期的に海外事業の進歩状況や課題、活動内容を共有し「会社全体で取り組む姿勢」が重要です。また、現地スタッフの雇用も海外進出において重要なポイントです。
特に日本にいては中々入ってこない現地の情報を調査し、現地市場でのネットワークを構築していける現地人材や法務・税務・経理・ビザの習得など、実務面で最新の国の情報を確認しながら対応できる現地人材は欠かせません。
海外進出の場合にネックとなる「ビザの申請方法」に関しては、各国で申請に必要な書類や条件などが異なるため、思いの外手間がかかります。このような場合は現地人材を採用する方が効率的でしょう。
どちらにしてもメリット・デメリットはあるため、状況をしっかり把握した上で選択することをおすすめします。
その④現地のパートナー企業と連携を取ること
販路拡大を目的とした海外進出の場合、現地市場についての知識と経験があり、ネットワークを持っている現地パートナーとの連携は重要です。現地パートナーと連携を取ることで、自社だけでは実現しなかった見込み客が増え、ビジネスチャンスを増やし、さらなる商圏の拡大などが期待できます。
現地パートナー探しの際は、現地パートナーに求める内容や、自社が現地パートナーに提供できる価値を明確にしましょう。現地パートナーに求める内容を明確にし、自社の目的に沿った候補先をリストアップします。
その際、パートナー候補の現地市場でのポジショニングを把握し、連絡する際の優先順位付けを行います。また、現地パートナーにアプローチする際は、自社と連携することでwin-winの関係を築ける事をアピールしましょう。
自社のブランド力や技術力、現地にはないサービスなど、自社が持つユニークな価値によってパートナー企業も一緒に成長できるという具体的なイメージを描いてもらうことが重要です。(他企業からもアプローチを受けていることを忘れてはいけません。)
このようなことを踏まえて積極的にコミュニケーションを取ることはもちろん、日本的な挨拶だけの訪問は商談以外に時間を割くことになるため、海外では嫌われる傾向があります。
訪問する際は表敬訪問のような訪問ではなく、初回から事前にしっかり準備して挑むようにしましょう。訪問先の国での一般的なビジネスマナーや打ち合わせの進め方をしっかり頭に入れた上で商談に挑むことで、契約の期待値はぐっと高くなります。
目的のない訪問や、製品や自社のアピールを遠慮するなどは避け、初回から自社の目的を明確に伝え、相手のメリットも説明しながら交渉に挑みましょう。意思決定をその場で下せる決済者も同行することが望ましいです。
その⑤海外ビジネスにおけるリスクを知ること
海外進出にあたって多くの企業が直面する主なリスクは、以下です。
- 為替変動
- 人件費の高騰
- 経済情勢の変化
- 情勢不安・自然災害
- 知的財産・技術流出
特に初めて海外進出を検討する企業においては、このようなリスクに直面するだけでなく、ビジネスをスタートするまでに労働力の確保や就労ビザの習得など、確認すべき事柄が多いです。
海外市場は売上の拡大が期待できるため魅力的ですか、日本国内では直面しにくい「海外環境ならではのリスク」が伴います。例えば新興国の場合、最初は人件費を抑えて雇用できたものの、経済成長が進むことで利益の上昇と共に人件費も高騰し、単純に純利益が上がるともいえません。
また、社会情勢が不安定な場合や自然災害が発生するリスクがある場合、雇用が安定しないデメリットもあります。様々なリスクをゼロにすることは不可能ですが、このようなリスクに対する「リスクマネジメント」をしっかり行うことが大切です。
調査と危機発生時の対応に関して準備し、日本本社と海外拠点でのリスクマネジメントに対する認識を一致させることが重要です。現地拠点での頻繁な情報収集、日本と海外拠点間のコミュニケーションを定期的に取ることで、リスクをコントロールしながら海外進出することができます。
その⑥商習慣・言語・文化の違いを理解すること
ビジネスは「人間 対 人間」の取引であり、言語や文化、商習慣の違いによってコミュニケーションにも影響します。文化や商習慣を理解していなければ、うまくコミュニケーションが取れないだけでなく、思わぬトラブルを生むリスクがあります。
世界標準語は英語とされていますが、地域によっては英語の発言や文法に癖があり、困惑することもあります。また、新興国の中には英語を公用語としていない国も存在します。
英語ではなく、他の言語を公用語としている、または現地語がある場合は、日本語と現地語をビジネスレベルで話すことができる人材の確保が必要です。特に外国人が現地語を勉強してくれたという実績は、スタッフを雇用する際に重要視すべきポイントです。
言語以外にも働き方や服装、食文化などに対し「日本式に合わせないのはダメだ」と否定するのでなく「郷に入っては郷に従え」の言葉通り受け入れる姿勢は大切です。現地の習慣や文化を学び、現地の顧客や海外拠点の人たちと気持ちよくコミュニケーションが取れる環境づくりを心がけましょう。
たとえ言語スキルが乏しい場合や言語に自信がなくとも、積極的にコミュニケーションを取れる環境さえあれば、食い違いが起きても最小限に抑えることができます。もちろん、言語スキルはあって損はありませんが、言語スキル以上に大切なことは「コミュニケーションを取ろうとしているかどうか」です。
例えば、外国の方とコミュニケーションを取る際、完璧な日本語の発音や文法が出来ていなくとも「伝えたい」という気持ちがあれば、何を伝えようとしているのか理解しようとするものです。言語スキルは思いを伝えるための「手段」であり「目的」ではありません。
自分の伝えたいことをしっかりと伝えれば、海外進出は成功する可能性が高くなります。
その⑦国内のビジネスとは全く違うことを理解する
海外ビジネスは、言語以外にも国によって文化背景や商習慣が異なることを大前提にして始める必要があります。実際に、日本の商習慣では当たり前とされていることも、現地では異なることは多いです。
例えば、日本では企業間でメールのやり取りをすることが多いですが、SNSメッセンジャーを使ったやり取りを好む企業担当者もいますし、商談のアポイントメントに30分以上遅れてくるなど時間に対して柔軟性がある人もいます。
会食では宗教上の理由やベジタリアン思考などで、肉食やアルコールを避ける人もいます。このように日本のビジネスマナーが進出国でも当然とされているわけではなく、日本で日常的に食べられているものが現地でも食べられているとも限りません。
商品に対する考え方も異なるため、日本人が求めるような高品質な商品やサービスにこだわらない人もいます。自社の商品が本来とは違う用途で使われることもよくあることです。
まとめ:まずは海外ビジネスの情報を得て、仮説・検証を
海外ビジネスを成功させるためのポイントをまとめます。
まずは海外進出先有望国のリストに沿って、それぞれの国に関する以下の情報を収集しましょう。
- 人口
- 法律
- 国の制度
- 地理的特徴
- 業界構造や事業特性
- 経済状況(マクロ環境)
- 業界の市場規模や成長性
- 競合調査(競争環境/現地競合の把握)
同じ業界であっても各国での業界構造は異なるため、対象とする業界の市場状況や競合について知り、自社のポジショニングを明確にすることが重要です。
(例えばサプライチェーンの構造が日本と異なったり、国によって業界に外資規制があるため、業界全体および調達ルート、販売ルートを含め、各国の情報を細かく調査し、自社の位置付けを明らかにして戦略を検討しましょう。)
進出有望国の市場性や競合の調査、消費者や市場のプレーヤーへインタビューを行って外部環境が把握できれば、それをもとに自社の強みが最大限に生きる事業仮説を立てて検討を行います。
※現地の人とコネクションが取れない、現地に赴くことが難しいなど十分に調査が行えない場合は、インターネットを利用してある程度情報収集しましょう。
自社が持つ経営資源(自社製品・自社が持つ人材・技術・設備・情報・顧客満足度・流通チャンネル・ブランドなど)を整理し、「ターゲット顧客が抱えている問題は、自社が持つ経営資源によって解決できる」という仮説を立てます。
仮説を立てたら、実際に現地の政府、消費者、見込みのある取引先、同業者などへインタビューを行い、ビジネスモデル実現の可能性を検証していきましょう。
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海外ビジネスを検討されている方につきましては、併せて以下の記事をご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。