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2022.03.22.公開 (2023.09.01.更新)

【SDGs】目標7「エネルギーをクリーンにそしてみんなに」世界の取り組みと事例

【SDGs】目標7「エネルギーをクリーンにそしてみんなに」世界の取り組みを解説

 

私たちの暮らしに欠かせない「電気」には、実は「クリーンなエネルギー」と「地球に害を与えるリスクがあるエネルギー」があります。

 

また、世界では電気を使えずに暮らしている人々もいます。今回は、すべての人々がエネルギーを使える環境を作り、なおかつ「クリーンなエネルギーにシフトしていこう」というお話です。

 

 

【SDGs】目標7「エネルギーをクリーンにそしてみんなに」とは?

【SDGs】目標7「エネルギーをクリーンにそしてみんなに」とは?

 

SDGsの目標7「エネルギーをクリーンにそしてみんなに」とは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された【2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標】の1つです。

 

 

ターゲット

SDGsの目標7「エネルギーをクリーンにそしてみんなに」のターゲットは、以下のとおりです。

 

7-1 2030年までに、だれもが安い値段で安定的で現代的なエネルギーを使えるようにする。
7-2 2030年までに、エネルギーをつくる方法のうち、再生可能エネルギーを使う方法の割合を大きく増やす。
7-3 2030年までに、今までの倍の速さでエネルギー効率をよくしていく。

 

>>参照元:ユニセフ「7.エネルギーをクリーンにそしてみんなに」

 

 

電気が使えない生活をおくる世界の人々

電気が使えない生活をおくる世界の人々

 

現代の生活に欠かせない電気やガスなどの「エネルギー」。しかし、世界では約7.9億人(5人に1人)が電気を利用できない環境で暮らしています。

 

電気が使えない人々は、薪や炭を燃やして料理を作り、暖をとっています。そのため煙で汚れた空気を吸うことも多く、健康を損なうリスクを抱えながら生活をしています。

 

また、電気が使えないことにより、世界ではさまざまな問題が起きています。主な問題を見てみましょう。

 

 

①十分な教育を受けられない

電気が使えない途上国では、灯や暖を取るための木材の確保が欠かせません。燃料を集める作業は主に女性や子どもの仕事であり、彼女らは何時間もかけて森林へと出向き、薪を拾い集め、重たい木材を自宅まで持ち帰っています。

 

また、彼女らは水汲みの仕事もあるため、学校に行く時間や体力が残っておらず、外灯の灯りを使って勉強をするなどしています。

 

このように十分に教育が受けられない地域では、働くための知識やスキルが習得できないだけでなく、医療に携わる人材も育たないといった問題も引き起こしています。

 

>>関連:SDGs 目標4「質の高い教育をみんなに」

 

>>関連:SDGs 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」

 

 

②産業が発展しない

②産業が発展しない

 

現在、途上国の経済は農作物や魚類を加工せずにそのまま販売する「一次産業」が中心で、サハラ以南のアフリカ地域の9割が一次産業に頼った経済体系となっています。

 

一次産業は天候によって収穫量が左右される、保存できる環境が整っていないなどのデメリットにより、収入が不安定になることが多いです。

 

電気が使えないことにより加工するための設備を整備できず、二次産業への発展の妨げになっています。

 

 

③森林破壊が進む

電気のかわりの燃料として森林を伐採することにより、森林減少などの森林破壊が進むことも懸念されています。木々は光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を樹木内に取り込んでいます。

 

落ち葉にも土壌の炭素を吸収する役割を担っているため、温暖化の防止には欠かせない存在です。しかし、森林を伐採することで二酸化炭素の吸収源を失い、同時に吸収していた炭素も排出しているのが現状です。

 

また、森林の再生を待たずして伐採するため、森林が枯渇し、燃料がなくなると今度は家畜の糞を用います。本来 糞は農地に返し肥料として使うことで土壌を豊かにしますが、燃料として用いることで農地に栄養が行き渡らなくなり、土地の疲弊の原因になっています。

 

その結果、作物が育たなくなり、また別の土地に移り、同じことを繰り返す負のスパイラルに陥っているのが現状です。

 

 

「クリーンなエネルギー」と「そうでないエネルギー」とは?

「クリーンなエネルギー」と「そうでないエネルギー」とは?

 

地球上のエネルギーは、再生可能な「自然のエネルギー(クリーンエネルギー)」と「地球に害を与えるリスクがあるエネルギー」があります。

 

それぞれ特徴を解説します。

 

 

クリーンエネルギー:自然の力から生み出す再生可能なエネルギー

現在、世界では「枯渇しない・どこにでもある・二酸化炭素を増加させない」という特徴をもつ「クリーンエネルギー(再生可能エネルギー)」にシフトする取り組みに力を入れています。

 

なお、主な再生可能エネルギーは以下のとおりです。

 

  • 風力
  • 水力
  • 地熱
  • 太陽熱
  • 太陽光
  • 大気中の熱その他自然界に存ずる熱
  • バイオマス(動植物に由来する有機物でエネルギー源として利用できるもの)

 

上記のエネルギーは、使用しても資源を再生できるため化石燃料のように資源がなくなる心配はありません。

 

また、人体的な害や二酸化炭素を排出しないため、環境にやさしい安全でクリーンなエネルギーとして先進国を中心に積極的に導入を進めています。(世界の最終消費エネルギーの約17.9%が再生可能エネルギー)

 

 

クリーンでないエネルギー:地球温暖化の原因に

一方、石油や石炭などのエネルギーは燃焼させることで二酸化炭素が発生し、地球温暖化の要因になっています。地球温暖化が悪化することにより気候変動も活発となり、食糧不足につながる可能性もあります。

 

人間だけでなく地球上の自然や動物にも大きな影響を与えかねないため、クリーンではないエネルギーを使用する際は地球への負担を考えながら生産し取り入れる必要があります。

 

※このまま化石エネルギーの消費量が増え続けると、地球温暖化や気候変動がさらに深刻化し、2100年には2000年と比べて平均4.8度も上昇すると予想されています。

 

>>関連:【SDGs】目標13「気候変動に具体的な対策を」私たちにできること

 

 

クリーンエネルギーを広めるための世界と日本の取り組み・事例

クリーンエネルギーを広めるための世界と日本の取り組み

 

現時点でクリーンエネルギーの発電量が多いのは中国とアメリカで、突出して発電量が多くなっています。また、発電量に占めるクリーンエネルギーの割合(1人あたり)が高いのはデンマークやドイツなどのヨーロッパの国々です。(デンマークでは自国の発電量の4割以上が風力発電)

 

また、世界ではクリーンエネルギーを確保し届けるために、国同士でパイプラインの建設を進めています。同時に省エネを呼びかけている国は多く、日本も例外ではありません。

 

しかしながら、日本は世界第5位のエネルギー消費国であり、エネルギー資源の大半を海外からの輸入に頼っています。エネルギーの自給率においてもわずか11.8%と、先進国の中でも極めて低いのが現状です。

 

そのため「省エネ」に注力した商品の開発や、屋上や屋根にソーラーパネルを設置し、太陽光発電を導入する建物を増やしています。さらに現代では「売電できるシステム」の普及を進めており、クリーンエネルギーを確保する取り組みに力を入れています。

 

 

私たちにできること

私たちにできること

 

SDGs目標7「エネルギーをクリーンに そしてみんなに」の達成に向けて、私たちが身近にできることは【エネルギーの消費量を少しでも減らすこと】です。

 

以下よりできることを探してみましょう。

 

  • こまめに電気を消す
  • 照明をLEDに変える
  • 冷蔵庫に食材を詰め込まない
  • エアコンを適正な温度に設定する
  • 自家用車でなく、公共交通機関を使う
  • エアコンのフィルターをこまめに清掃する
  • 新しく家電を買う場合は省エネの商品を選ぶ

 

また、各自治体が開催するクリーンエネルギーや省エネに関するイベントに参加することもおすすめです。住んでいる街の現状を知ることで、よりエネルギーに関する知識を深めることができるでしょう。

 

>>関連:「SDGs達成に向けて個人や企業が身近にできる事|小さな取り組みから」を読む

 

 

まとめ:エネルギーの現状を知り、持続可能なエネルギーへの理解を深めよう

まとめ:エネルギーの現状を知り、持続可能なエネルギーへの理解を深めよう

 

今回は、SDGsの目標7「エネルギーをクリーンに そしてみんなに」を達成するための世界や日本の現状と取り組みについてご紹介しました。

 

エネルギー問題は、各国がさまざまな対策を行うほど深刻な課題の1つです。しかし、18世紀の産業革命以降、人口増加や産業発展、経済成長により今後もますますエネルギーの消費は増えると予測しています。

 

身近にできることとして日頃から節電を心がけ、世界のクリーンエネルギーに関する情報を調べることで未来のエネルギーについて考えてみましょう。